プレパ団長です。
第1回定期演奏会に使用しましたチューブラーベルもどきの楽器作成記録その4です。
今回は管の加工準備(設計)の続きです。どんどん置いてけぼりにします。
さて、前回の計算式ですべてうまくいくと思いきや、
ある程度より管長が長くなると計算で求めた音と違う音が鳴る現象が発生しました。
442より9半音低いC管を想定して1550.6mmの管を用意したですが、
実際に叩いてみると、A♭の音が聞こえるような気がします。
スペクトル解析ソフトで見てみると、以下の3つの音が良くなっているようでした。
・A♭5 (828Hz)
・E♭6 (1263Hz)
・A♭6 (1777Hz)
原因調査のため色々調べてみました。
チューブラーベルは叩いた時に(最低倍音を0倍音とすると)以下のように倍音が分布するそうです。
そのうち、 F4 , F5 , F6 に注目すると、
周波数の比は 92 : 112 : 132 = 1 :1.49 :2.09 ≒ 2 : 3 : 4 と単純な整数比に近く、他の周波数の音より調和して、強く聞こえるとのことです。
チューブラーベルのチューニングでは、
F4 , F5 , F6 が第2〜第4倍音となるような仮想周波数 Fv を仮定し、
Fv が期待する音の周波数となるようチューニングを行う(Fv=F4 / 2 )のだそうです。
今回の場合は828HzのA♭がF4に当たる形になっていましたので、
1550.6mmの管は実は414Hzの(少し低めの)A♭であったということがわかりました。
では、なぜ当初のE管(976.8mm)はEの音として聞こえたのでしょうか?
ここは最後まで確証は得られませんでしたが、以下の仮説を立て、「そういうものである」として対応しました。
今回使用した管において、ある程度(1m付近)より短くなると、よく聞こえる倍音の構成が変わる。
短いとF2,F3の音がよく聞こえ、逆にF4,F5,F6の音が聞こえづらくなる。
これにて一件落着、と思いきや、まだ不足していました。
続きます。